Kazunoriの思考と日記

28歳男・IT企業事業企画/推進・一児のパパ・タイ人の妻・埼玉在住の人がまじで徒然なるままに書いているブログ

今年一番の戦いが終わって・・・

おそらく、今年一番エネルギーを使ったであろうコンペが、先週の木曜日で一旦終了した。

先々週の提案書提出時に関しては、非常に時間が限られるなかで、提案内容(特に数字面)のチェックが満足にできないまま提出し、後悔が残ったが、先週木曜日のプレゼンに関しては、一旦はいい形で終えられたと思う(プレゼンしたのは僕でないですが)。

現在は、来週末くらいに出るであろう結果を待っている状況なのだが、この案件を通して感じたこと、学んだことを少し振り返ってみようかと思う。

どんな案件かの詳細はもちろん言うことはできないのだが、端的に感想を言うと、非常に進めるのが難しい案件であった。

2月に、ある官公庁系のコンペで受注したときとは比べ物にならないくらい難しかった。なぜなら、今回は単にクラウドやハード、運用サポートの提案でなく、開発を含めたOEMでの提案であり、会社として今後のプロダクトをどうしていくのかという命題にもろにぶち当たる案件でもあったため、関係者が非常に多かったからだ。関係者が多ければ多いほど、その中でコンセンサスを得るのは難しいし、調整にも時間がかかる。

そんな中、案件を進めるのは大変骨が折れた。提案内容そのものももちろんそうなのだが、それと同じくらい「打ち合わせでファシリテーションをどのように進めるか」ということに頭を悩ませた。お客様のために頭を使うのと同じくらい、社内向けにも頭を使ったと思う。色々な壁に阻まれながら、自分なりに悩み、考え、答えを出したつもりではある。その中で考えたことをいくつかシェアしてみたい

何よりもまずゴールから考え、ISSUEを見極めるに尽きる

この案件を通して、何よりも痛感したのは、この「ゴールとISSUE」を考えることの大事さである。意識高い系(笑)な僕はもちろん、『イシューからはじめよ』は読んできたし、それを仕事の中で実践した気でいたが、実際はまだまだ甘かったのである。

今回、お客様に求められたアウトプットとしては2つあった。提案に関するパワーポイントの説明書と、提案に関する費用のエクセルサマリーである。

僕は、パワーポイントに関しては、段取りをしっかり考えていたし、スケジュールに合わせ、なかなかクオリティの高いものが作れたと思う。問題はエクセルの費用サマリのほうだ。

費用サマリでは、そのフォーマットだけでなく、必要とされる情報もかなり厳密に指定されていた。「~という区分の費用は~とうい風に書いてください。そして、~の区分の費用は、~という情報を必ず沿えてください」 っといった具合にだ。

本来ならば、RFP(Request For Proposal:提案してほしい企業が、どんな背景でどのような提案を求めているかの情報をまとめたもの)が出た瞬間、その費用サマリでの要求事項(=今回のエクセル提出におけるゴールとなるもの)は一言一句覚えるべきだったのだ。

ゴールをしっかり捉えて初めて、そのゴールにたどり着くためのISSUE(解決したらゴールに一気に近づけるような課題や論点)も見極めることができるし、ISSUEを解決するためのToDoへの細分化も可能となる。僕はそれを「数字が苦手だから」という理由で怠ったのだ

結果、提案書提出日に一日中僕のマネージャーとサブマネにつきっきりで数字のチェックをしてもらったことで、なんとかエクセルの提出にこぎつけたが、僕一人だったら決して無理だったと思う。僕の段取りが悪かった。ゴールを明確にとらえていなかったのである。

このゴールとISSUEの見極めは、正直仕事する上で一番重要なスキルであると思う。これは、案件のススメ方だけでなく、お客様との交渉時や、社内の打ち合わせ、上司への報告時など、仕事におけるすべての場面で必要とされるスキルだ。

「ゴールから考える」なんてあたり前って思うのだけど、案外難しいのだ。ゴールとISSUEの見極めは頭を使うし、とにかく目の前にタスクがあれば、何も考えずそれを実施することで仕事した気になっちゃうからだ。

ただ、ゴールを考えない仕事になんて、生産性はない。このことを肝に命じないといけないなと改めて思わされた。

 

提案を考えるのと同じくらい、社内打ち合わせに向け準備するべき

SEさんや開発部隊が入り乱れる案件では、そもそも打ち合わせを調整するのが大変だ。裏を返すと、1つ1つの打ち合わせの生産性を高め、より少ない打ち合わせで、より打ち合わせの効果を高める必要があるということになる。

案件を進めることにおける、「打ち合わせの効果を高める」というのはどういうことかと言うと、案件のゴールに向かい、関係者それぞれがいつ何をするかを、納得感を持って理解できるようにすること だと思う。

この「納得感を持って」が難しい。納得感を持つためには、案件を進めるにあたって考える必要がある論点を網羅するかつ、各論点において様々な選択肢を検討した上で決定しないといけない。打ち合わせの時間は有限であるから、予めその論点に関して、事前に考えてもらう必要があるし、そのためには事前にテキストで連絡したり、テキストで足りない場合は、事前に直接話しておくなどの根回しも必要だ。

結果、ファシリテーションを考える時間や、そのための根回しの時間は相当膨れ上がった。本当はお客様の課題解決のためにもっともっと時間を使うべき...と思わなくはないが、こういった社内向けの準備や根回しも、お客様の課題解決に必要であることを考えると、提案作成と同じくらい重要なのだろうと考えているのが現状である。この考えは今後変わるかもしれない。


自分への信頼や好かれ度を削ぎ落としてでも、調整しないといけないタイミングがある

こういう開発ありきの案件を進めると、SEさんや開発部隊等、本当に様々な人にお世話になる。色々な頼み事、依頼事項を、営業は他の部署のメンバーと調整していくことで提案を練り、資料を作成していく。

その「調整」は、けっこうスキルがいると思う。

例えば、単に「いいやつ」であることも一つのスキルだ。なぜなら、「嫌なやつ」の依頼ごとをするよりも、人はきっと「いいやつ」の頼み事を優先すると思うからだ。

ただ、この「いいやつ」でいることと、難しい要求をすることは、トレードオフだ。

なぜなら、難しい要求は、その分頼まれた人のリソースをたくさん使うので、要求をされたほうはどうしても迷惑がかかる。「いいやつ」でいることをゴールとするなら、人にはなるべく迷惑はかけない方がいい。人が社内で調整できることは、限りがある。

ただ、案件を進めていくと必ず、「このタイミング」という場面がある。僕で言うと提案書提出の1日前と当日だった。そこで、あえて空気を読まず、嫌な顔をされながらも「頼むべきことを頼むべきメンバーに頼む」ことが、案件の明暗を分けるのではないのかと思う。

僕はそれを一人ではできず、上長に助けてもらった。上長の信用力を借りたのだ。

この「ここぞというタイミングで他者の力を借りる」ということは、ただのスキルだけでは難しくて、相手に迷惑をかけること、そしてその上で必ず案件を取り切るんだという覚悟と勇気が必要であることを学んだ。また、ここぞで頼み事をしたときに、他者が力を貸してくれるくらいに、普段からコツコツと信用を築いかなければならないことも気づいた。そう考えると、提案時のみが案件において重要なのではなく、普段の仕事から、期待値を少しずつ超えていくことだったり、関係性を築いていくことが重要なんだと思う。

もっともっと書きたいことがあったのだが、だいぶ長くなってきたのでここまでにします。

とにかく、この案件から学んだことは本当に多かった!!この経験を必ず僕の学びにし、他の人のために役立つスキルとしていきたいと思います!!!