Kazunoriの思考と日記

28歳男・IT企業事業企画/推進・一児のパパ・タイ人の妻・埼玉在住の人がまじで徒然なるままに書いているブログ

私が今一番イケていると思う経営者は・・・・

断言しよう

(今のところは)稲盛和夫氏である。

これまで、好きな経営者として、『入社1年目の教科書』の著者でもある、ライフネット生命の岩瀬氏や、『お金2.0』の著者でもある佐藤氏、いつもハートフルなブログ記事やVoicyの投稿をしていて、保育における日本の課題を解決するという素晴らしい事業の立ち上げ人であるキッズラインの経沢香保子さん等を挙げていた。

ただ、今はぶっちぎりで稲盛和夫氏である。

稲盛さんについてご存じない人がいたら、とりあえず以下の記事を読んでみてほしい。

tsuyomon.com


私は、稲盛氏のことは以前からなんとなくで知っていたが、深くは知らなかった。彼を心の底から「まじですごい」経営者と思い始めたのは、以下の本を読んでからである。

books.rakuten.co.jp


いやー、すごい。この本には心を打たれた。

この本は、稲盛氏が考える、会計における重要な考え方と、それをどのように経営に活かすのか、どう活かすべきなのかの哲学について稲盛氏本人により書かれている。実学」のタイトルは伊達ではなく、彼の経験から語られる会計と経営は、より臨場感とリアリティを持っており、あまり会計について詳しくない僕でも自分が身をもって経験したかのように感じられた。

ちなみにこの本を読んだとき、メモがてら八幡が作成したマインドマップは以下である。


この本で一番印象に残っているのは、彼の生き方そのものが会計を通し語られることである。

「公明正大」、「人として正しいことをする」等、人が生きる上ではフェアネスが何よりも重要であるという旨の言葉が何度も本に出てくるのだが、そのフェアネスを会計上でも実現しているのが、稲盛和夫氏の凄さである。

例えば、「1対1の対応を貫く」なんてまさにそうだ。

仕入と売上の関係を必ず1対1で捉える。お金の動きとモノの動きを必ず1対1で捉える。

「予算が~月なので、まだ役務提供受けてないけど、先請求書だけいただけないかしら~」等、便宜上請求もしくは仕入れ伝票を先に立てるみたいなことは、正直どこもあるとは思うのだが、稲盛和夫は決してそれを認めない。簿記で言う、借方と貸方の側面で捉えられる取引でないと必ず認められないらしい。理由は、それが会計として正しいから。

また、詳細はまた別の記事にでも書こうかと思うが、アメーバ経営が、稲盛和夫氏が説く「正しい経営」の最骨頂であると思う。

アメーバ経営は、各事業部ごとに利益の見える化を促すことを目的とした、事業部をアメーバと暗喩し表した経営方針のことだ。一種の管理会計の手法とも言っていい。

企業は大きくなればなるほど売上も大きくなるが、その分コストも増える。そして大きくなった企業は、そのコストが色々混ぜこぜになってしまい、コストのどの部分が収益のどこの部分をもたらしているのかの把握が難しくなるらしい。

製造業だと、「原価標準=目標となる製品1単位あたりの標準的な原価」を基に、原価目標を立てるケースが多いらしいが、その原価標準は、過去の実績や同じ業界の平均値から採用されることが多いらしい。

稲盛和夫は、原価標準という考え方を「正しくない」とする。なぜなら、製品の価格は、市場によりいくらでも変わるものなので、原価がある一定の値に固定されてしまうのであれば、売値が下がったときに、販売すればするほど赤字になってしまうということが起こるからだ。

稲盛和夫にとって、原価の考え方として「正しい」のは、原価は変動するものと捉え、常に市場の状況により、目標とする原価を変動させ、常に利益をもたらせるような下地を整えるということである。

アメーバ経営では、各事業部が売上だけでなく、原価までも目標を定め、各アメーバごとで必ず利益をもたらしていく仕組みになっている。さらに、利益をそのアメーバに属する人間の稼働時間合計で割り算することにより、そのアメーバにおける1時間稼働あたりの利益まで計算するらしい。

何よりも素晴らしいのは、各アメーバの利益を合計すると、必然として会社全体の利益が計算できるようになっており、それはすなわち自分たちのアメーバが、会社全体の利益にどれだけ貢献しているかが定量的に見える化されることだ。どのようなアメーバでも、「利益」を意識するようになり、全員参加型の経営が実現できる。

そのようなシステムの考案者かつ実践者である稲盛氏、なんか超絶すごい経営者と思えてこないだろうか??

「正しさ」を求める人間はいっぱいいるが、実現できる人はなかなかいない。稲盛氏に僕が羨望の眼差しを送るのは、「正しさ」を会計と経営により体現しているところだ。

言行一致の人は信用されるが、それはもちろん企業にも当てはまると思う。

企業活動の中で「公明正大」を実現する稲盛氏を僕はこころの底からすごいと思うし、そんないかした人間にもなりたい、いやなるんだと決意を持った。

 

おわり