Kazunoriの思考と日記

28歳男・IT企業事業企画/推進・一児のパパ・タイ人の妻・埼玉在住の人がまじで徒然なるままに書いているブログ

『ファイナンス思考』を自身の生活に置き換えて考えてみる

まず、ある本を紹介したいです。

ファイナンス思考 日本企業を蝕む病と、再生の戦略論』
朝倉 祐介  著

www.diamond.co.jp


「またファイナンス系の記事かよ。。。」って思われる方もいるかもしれなが、そうです。ご容赦願います。

この本は、超超超良いです。全全全国の皆様におすすめしたいです。リアルな話、日本のビジネスパーソンは全全全員読んでも損がないレベルだと思います。今から少し本の内容を要約します。

この本の主張は、

日本の企業は、売上と利益追求型「PL脳」から脱して、長期的で将来的に企業価値を向上するという「ファイナンス思考」をもって意思決定すべし


ということに尽きます。さて、ここで表現されているPL脳と、ファイナンス思考とは、どういったものでしょうか?? 少し解説していきます。

PL脳とは、今この四半期のPLの見栄えを良くしようとし、財務戦略や投資の意思決定をしていくことを指します。「PLの見栄えが良い」とはどういうことかと言うと、簡単に言うと「純利益が出ている状態」です。もっと言うと、「この四半期の純利益を出すために、売上を高めるために色々頑張ったり、費用を頑張って圧縮したり、その他様々なことをした結果」です。

「純利益が出るなら、それはいいのではないか。」

皆様そう思われるでしょう。しかし、良く良く見てみると、純利益がこの四半期で出た=企業にとって必ずしも良い ことではありません。

そもそもPL(損益計算書)は、お金そのものの動きを表したものでなく、企業としての収支状況の解釈をまとめたものです。例えば「このハードウェアの支払いは、数ヶ月後になっているが、申込書をもらったので、売上額として計上することは妥当である」であったり、「このソフトは、数年に渡ってご利用いただくものだが、ソフトの設定もろもろは利用開始時にするものだから、売れた月に売上額のほとんどを計上するのは妥当である」という、会計基準沿ったうえで、各企業が売上や費用に関する解釈をもとに収支を計算することにより、PLは作成されるのです。

PLは、「企業の成績表」と言うくらいなので、資本市場から資金を調達するために、かなり重要な指標となることは間違いないですが、企業がPLの見栄えを良くするために行った意思決定が、企業の「ゴーイング・コンサーン」という前提に則った際に、必ずしも良いことのつながるかはわかりません。

上記の例で言うと、本当はお客様から、3年にわたり毎月お金をいただくのに、初月に売上額のほとんどを計上してしまうと、PLに売上として計上されている額よりも、実際のキャッシュが全然足りてないということにもなります。他にも、PLの費用圧縮のためめに、必要な投資の額を削減する等、今のPLの見栄えは良くなっても、将来の利益の種を食いつぶしてしまうということも起こりえます。

企業は社会の公器です。継続的に世の中のためになるような製品やサービスを提供し、その対価としてお金をもらいながら、企業が世のため人のためになるものを提供し続けることに意味があります。今のPLの見栄えを良くするために、将来の躍進のためのエネルギーを消耗させてしまうには、企業が企業である意味が無い、ということになります。(ただ資金を供給してくれる銀行等は、PLの数字をかなり重要視しているみたいなので、PLを気にしすぎず資金を引き上げられるということになってもダメですが。この辺の塩梅が、特に銀行借入により資金を得ている企業は難しいのでしょうね。)

ファイナンス思考は、あくまで今のPLでなくて、企業価値の向上をゴールに意思決定をすることがその本質です。

企業価値は、DCF(ディスカウント・キャッシュフロー)法に倣えば、将来にわたり企業が稼ぐお金の現在価値で試算されるものなので、何より今~将来にかけてキャッシュフローの最大化を目標として意思決定することが重要ということになります。

少し専門的な言葉が出てきましたので、もう少し噛み砕いて言うと、

何より将来にわたり継続的にお金が稼げるように、企業活動をしていこうぜ


ということになります。

この「ファイナンス思考」による経営を特にしているのがアマゾン社です。アマゾンは、創業してからずっと、赤字を垂れ流しにするだけでなく、株主への配当も全くしていませんでした。ただし、「将来キャッシュフローの最大化」をゴールにし、勇猛果敢かつ当期の利益度外視で、AWS事業やAIの研究開発、配信用動画コンテンツ作成に莫大な投資を続けた結果、今やとんでもない時価総額になっています。

ちょっと前置きが長くなったのですが、僕らはこういう「ファイナンス思考」を、実生活に取り入れてもいいのではないか、ということがこの記事で言いたいことになります。

僕は、母親から彼女から「貯金しなさい」と耳にタコができるくらい言われております。尊敬しているライフネット生命の岩瀬さんも、「何はともあれ貯金せよ」と、著書で書かれております。


でも、本当にそうでしょうか??

もちろん、貯金がなくなって破産はしない程度に、お金はあるべきだと考えます。(企業で言う運転資金的な意味で)

でも、不必要に、何も考えず「とにかく貯金」は、まさにこの本で言っている「PL脳」に汚染された結果なのではないでしょうか??

僕は25才です。今は、貯金度外視でどんどん金を使って学んで、酸いも甘いも経験し、どんどん吸収していく時期だと思います。会社で言うと、営業CFはプラスになりつつあり、投資CFがすごいマイナス、財務CFプラスと言う感じです。ZOZOの前澤社長も、「お金は使えば使うだけ良い」とおっしゃっております。(影響されやすw)

日本の若者諸君

PL脳に汚染されてないか? 「とりあえず貯金」という妄言に騙されていないか??

ファイナンス思考」をもって将来のために今お金を使うという意思決定をし、最高の経験と学びをどんどん得ていこうではないか!!!!

以上、八幡の貯金できない超超超絶言い訳でした。7月のPL状況は、すでに4万の赤字が確定してますです。。。