Kazunoriの思考と日記

28歳男・IT企業事業企画/推進・一児のパパ・タイ人の妻・埼玉在住の人がまじで徒然なるままに書いているブログ

これ以上にないくらい儚く美しいSF映画『メッセージ』

おはようございます。八幡です。今日は成田にて朝を迎えていました。

なんで成田?海外にでも行くのか?いえ、そういうわけでなく、成田に結構仲がいい友達がいるので、飲んでいたのです。

成田は、東京にいる人からすると、空港があるくらいしか認識がないかもですが、意外といい街です。

「文化と革新が融合した街」
と成田にいる僕の友達は言いますが、「革新」には???と思いつつ、カルチャーは確かに感じます。

成田山へ向かう道はとても奥ゆかしいです。老舗の鰻屋さんがあれば、いい感じの焼鳥屋さんもあるし、向かいにクラブ・バー的なところもあったりします。土地柄外国人も多いので、日本由来の文化というより、グローバルなカルチャーの融合を感じます。

昨日は、成田のカラオケバー的なところに行き、友達がディズニーのホール・ニュー・ワールドを歌い始め、女性パートはその場で別の席で飲んでいた外国人の女性がのりで入ってきたのですが、その女性が音痴すぎて笑いました。面白かったのが、友達が、音痴な女性パートに合わせて自分まで音痴に歌い始めたことです。

その音痴と音痴のハーモニーが混ざり合い、これ以上にない、ユーラシア大陸のように壮大な音痴を生み出していて、めっちゃ笑いました。音痴にもこういう使い方があるんだなぁと関心していました。

さて、本題ですが、今日は久しぶりに映画について紹介したいと思います。『メッセージ』という映画です。この映画は、現在でなく、昨年上映していたものですが、個人的に本当にお気に入りの映画なので、紹介したいと思います。

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この映画は、上の写真の女性(言語学者)と男性(数学者)と、お菓子の「ばかうけ」にも見える宇宙船内の宇宙人との交流を中心に、物語が展開されていきます

あるとき、この宇宙船が世界の12箇所に突如として現れます。(日本だと北海道に現れました)

その宇宙船は、動くこともなければ、攻撃することもない。何か語りかけることもなければ、何かを要求することない。ただそこに「有る」のみでした。

宇宙からの侵略を危惧した人類は、軍隊のみでなく、上記の主人公である言語学者や数学者を含め、様々なインテリジェンスを集めて、宇宙船との交流を開始します。

アメリカの言語学者の第一人者であるルイーズは、宇宙人が繰り返し描く「文字」から、その意味を見出そうと、宇宙船へと何回も足を運び、交流を試みます。

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文字の解読の際、それとなく頭に浮かび上がるある女の子の像。その人は一体誰なのか。なぜその人の前で自分は泣いているのか。過去とは何か。未来とは何か。現在とは何か。そもそも時間は一方向に不可逆に流れるものなのか。それとも...


この映画を形容するならば「儚い」と「美しい」がしっくりくるでしょう。

この映画で描かれる儚さは、ネタバレにもなってしまいますので、詳細は控えさせていただきますが、この映画の一つのキーワードである「言語と思考」という概念を媒体として描写されています。

「言語をマスターしていくと、その言語が由来する思考まで自然に身につく」

こういった内容が、数学者のイアンにより語られます。どういうことかと言うと、日本人でも英語をマスターすると、それを話しているときは自然と思考まで欧米人のようになり、フランクとなるということが例となります。

宇宙人との数多の交流により、宇宙人の言語を理解していったルイーズは、その思考まで自然と身につけていってしまうのです。

その思考は、我々人類のそれからは逸したものでした。彼らの言語には、言語にあるはずの「現在形」、「過去形」、「未来形」という概念はありませんでした。つまり彼らの思考には、時は流れるものでなく、行ったり来たりできる可逆的・流動的な概念だったのです。簡単に言うと、時空を越え、過去や未来を行ったり来たりすることができるということです。

ということは、現在の時間軸から未来の出来事を経験することが可能です。宇宙人の思考を取り入れたルイーズは、現在の時間軸から、自分が望まぬうちに、未来に自身の身にに降りかかる、身がちぎれるような悲しい出来事を見てしまいます。その自身の辛く悲しい、耐え難い運命を、それが必ず起きることを知りながら受け入れていくのか。もしくはその運命から逃げるのか...

その運命から逃げない選択をしたルイーズの姿から、この映画の、辛さにも似た儚さを知り、その運命を受け入れて、いつか失う命をそれでも愛する選択をした母としてのルイーズの姿から美しさを感じる映画です。

また、この美しさに関しては、冒頭と末尾の音楽により最高潮を迎えます。

www.youtube.com


この曲を創ったMax Richter氏は、私が坂本龍一氏と並び愛す、ポストクラシックの作曲家の一人です。他にも「Europe」や「Sunlight」という曲もおすすめ。「SLEEP」という8時間にも及ぶ睡眠時に聴きたいアルバムも超おすすめです。



もし僕がルイーズだったらどうしていたか?
この映画を観ると、考えずにいられない問いです。

もし未来を見れたら?過去に戻れたら?

未来を知り、それがありえないぐらい悲惨なものだとわかったら?

それを受け入れるか? それから逃げるか?

「時」の考え方は、本当にただ「流れる」それだけなの

時とは? 時空とは?


そんなことを考えさせられる映画です。
おすすめなので、是非ストリーミングかDVDで見てください^^

U-NEXTなら、無料期間を利用し観ることが可能です!!!

video.unext.jp

 

みなさま、良い日曜日を(^^)