Kazunoriの思考と日記

28歳男・IT企業事業企画/推進・一児のパパ・タイ人の妻・埼玉在住の人がまじで徒然なるままに書いているブログ

『決算を読む習慣』から学ぶ、分析のイロハ

今日はこの本を引用し、記事を書かせていただきます。

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MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣』 シバタナオキ著http://amzn.asia/dqILfy2


この本は、死ぬほどおすすめです。めちゃくちゃ面白いです。
上の画像でラベルのコメント書いている人は、うちに出資してくれているファンドのファンドマネージャーですぞ! 藤野さんが書く本も激しくおすすめなのだけど、それはまた別の機会に...笑

こちらがどんな本かと簡単に説明しますと、いろんな会社の決算を通して、その会社が競合に比べてどんな状態なのかを読み取るための簡単な方法論と、その会社が、業界内で今後どういう戦略を取ると良さそうなのかの仮説構築の例を挙げてくれています。

この本は、死ぬほどわかりやすいです。なぜそんなわかりやすいかと言うと、その業界を読み解くための簡単な方程式に沿って、各会社の決算を読み取っていくからです。

業界を読み解くための簡単な方程式は、例えば以下のようなものです。

広告ビジネスで押させておきたい方程式

売上=ユーザー数×ユーザーあたりの売上

てな感じです。死ぬほど当たり前ですよね?

各会社の決算からわかる数字を、このような業界の方程式に当てはめていき、同じ業界の競合と比較して、問いを設定していきます。

例えば、上記の広告の例で言うと、インターネット広告で莫大な利益を上げているFacebook社なんかと、同じく広告収入がメインの収益元の一つであるLine社を、それぞれ上記の方程式にあてはめて比較していきます。

「Lineのユーザーあたりの売上はFacebookよりもだいぶ低い。これは裏を返すと、今後Facebookと同じ水準に上がったとしたら、Lineの今後の広告収入は~だけ伸びるのでは」というような問いを設定し、さまざまな変数(例えば利用者が多く分布する国等です)を考慮した上で、比較・検証していくのです。

これは、業界に関する重要な方程式と、その方程式の要素となる数値(KPI)が頭の中に入ってくるだけでなく、分析の手法を学ぶという観点で勉強になります!

いくつか、この本を読んで、分析手法という観点で勉強になったことをあげていきます。

1.「分析する」ということはすなわち、
  「比較」をし、相違点の理由を考えていくことである

これは当たり前っちゃ当たり前かもしれないですが、改めて身にしみることです。
一社の数字だけ見ていても全く意味はなくて、その数値を他社の数字と比較をするからこそ違いを見つけることができ、その違いの背景を考えることで、会社の状況と数字の因果関係がわかってくるのです。分析は、まず比較することから始まります。


2.「比較」をするときは、時間の軸と業界の軸で行う

これも、至極当たり前のことではあるのですが、比較する際は、会社内での同じ数字の対前年比(YoY)をチェックすることと、競合の同じ数字をチェックすることが重要です。前者は、その会社自体がどう遷移していっているかがわかりますし、後者は、その会社が競合と比べどのような強み/弱みがあるのか、市場における立ち位置などがわかります。

3.比較しずらい数字でも、ユニットエコノミクス(=一人あたりの平均の経済性)を
  計算することで比較可能となる。

これは、例で示すのが一番早いです。
例えば、

  • 日本のGDPは世界3位である
  • 中国のGDPが日本のそれを抜いた

みたいな話って、分析という観点だとほとんど意味がないと思うんです。だって、それぞれの国で人口が異なるんですから。人口が増えれば増えるほど、需要供給の総量は増えるのは当たり前で、GDPの総量(SUM)で比較しても、そこから得られる情報ってあまりないですよね。

ただこれを、一人あたりのGDPに直したらどうでしょうか??人口の差によるバラツキが均されて、比較できる形となります。そこで、わかることが色々出てくるわけです。

余談ではありますが、一人あたりの名目GDPだと、日本は中国よりは上ですが、残業を悪ととらえ、日中から酒を飲みまくっているイタリアと殆ど変わりません。日本は残業時間が長いのに、、、働き方改革を真剣に考える必要があります。。。

てな感じです。繰り返しになりますが、

①分析とは、比較をすることで得られる情報をもとに実施するものであり、②比較の軸は時間軸や、業界という縦軸がある。また、③比較ができない数字に関しては、ユニットエコノミクスを計算することで、比較できるようになる

ということが、この本で、分析手法において改めて学ばされる点となります。

分析うんぬんかんぬんより、何より内容が素晴らしいので、是非皆様読んでみてください!!!

今週もあと2日がんばりましょー^^