Kazunoriの思考と日記

28歳男・IT企業事業企画/推進・一児のパパ・タイ人の妻・埼玉在住の人がまじで徒然なるままに書いているブログ

自身のニュース読み解きリテラシーの無さを痛感したイラン・アメリカ問題

正月休みもそろそろ明け、さぁこれから仕事始めだ!!!というタイミングでとんでもないニュースが入ってきた。

 

r.nikkei.com

 

本当に、びっくらこいた。そこまで中東情勢に対して念入りにウォッチしていたわけでもないし、そもそも中東に関する問題は、中東における覇権を取りたい米国とロシアという経済対立軸、イスラム教価値観に対するキリスト教的価値観という宗教対立軸、また、イスラム教の中でのスンニ派シーア派の対立、原理主義の台頭、ISIS等、、、問題構造が複雑すぎて全く理解できない。。

だが、そんな曖昧な中東情勢に対する理解を超越するようなブレーキングニュースだ。なんとなく、「これガチでイラン・アメリカで戦争すんじゃないの」と恐怖を感じた。


そしてなんとなく、FacebookでもTVでも、「無鉄砲でやりたい放題のトランプが、深い背景も根拠も持たないまま、勢いで攻撃をしてしまった」というような世論・コメントが大きく見られた。

以下のツイートがバズって、上記のような認識はさらに僕の中でも深くなった。

 


トランプが攻撃した対象に関する、米国に対して想定できる脅威のエビデンスについては殆ど無い、というのがこのツイートのビックメッセージだ。

 

そして、「ふざけんなトランプ!!!」という憤りと、戦争が始まるのではないか、という恐怖をもとに毎日関連ニュースを眺める日々が続いた。

しばらくすると、本件に関するこんなニュースが今度はFacebookで共有されるようになった。

 

jbpress.ismedia.jp

 

この記事の大きなメッセージはこれまでの「トランプ=ならず者」という観点の軍事攻撃への批判とは全く逆の立場をとっている。要は、殺害された者は完全なるテロリストであり、米国と関係諸国への脅威が極めて高く、その脅威がこのテロリストにより実現されるというタイミングでトランプは「殺人」という手段を選んだ。つまり「トランプは合理的判断をした」という観点で述べられているのだ。

そしてこのニュースが表立ってからというものの、いろんなメディアで上記観点を補強するようなニュースでFacebookのタイムラインが溢れた。そして、僕も「この攻撃は、もしかして必要なことだったのではないか」、と思うようになった。

 
それ以降、イランによりアメリカ軍基地へのミサイル攻撃を通して、イラン・アメリカ間での開戦間近という極限の緊張状態となったが、蓋を開けてみれば、上記攻撃も用意周到に米国に通知をされていたり(要はポージング的攻撃だった)、イラン軍による人為的ミスを背景としたウクライナの旅客機の撃墜等のニュースも間に挟まれ、緊張状態は緩和されてきている様相だ。今回の件による勝者はトランプだととか、トランプ、イラン双方にって良かっただとか言われている。

とりあえず戦争は避けられそうだと安堵はしているが、今回の件を通して明確になったのは、自分の意見というのは、簡単にもSNS上の世論にてコントロール可能なほど脆弱だったということだ。

僕の今回の件に関するスタンスは、Facebookでの世論通りであった。逆に言うと、Facebookの世論の次第で、僕の思考やそこに基づく行動は、コントロールされる可能性があるということだ。これは極めて危険な状態だと言える。

SNSによる情報共有・拡散が当たり前になった今、自分の頭を本当に遣わないと、平気で安直な判断を下してしまうような環境下であることを強く認識しないといけないと思う。人の解釈・理解を通した2次情報・3次情報だけをもとに情報処理を進めていくと、簡単に人の意図通りの情報処理となってしまう。

だからといって1次情報を取得できるようなフットワークも時間も作れないが、上記事実を認識し、SNS上での情報に対し向き合うべきだと強く痛感する。

藤野氏と同様、私がSNSでの言動をチェックしている、元マイクロソフト日本法人社長の成毛氏がFacebook上で「ゴーンが記者会見で何を話したかはほとんど意味はない。せいぜい昼の主婦向けワイドショーのネタでしかない。問題なのは明日のEU圏での記事でありネット上での世論だ。」と投稿していたが、それはこのようなSNS上で世論が簡単に形成できてしまう現状を示唆しているとも言える。

ファクトファーストでなく、SNS解釈ファースト。

この事実を理解していないと、僕もあなたもSNSで形成される世論の餌食となってしまう。